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もうちっとだけ続くんじゃ(笑)
バレンタインネタ、後半

…すいません完結編までお付き合い下さい

下からどぞー

「手加減なしだよ!」
「うん、全力全開だから!」

定時後、自室にて外行きの衣服に着替えたなのはとフェイトが、真剣そのもので対峙していた。

帰りが遅くなるからという事で、ヴィヴィオは既にアイナ女史のところなのは幸運と言うべきなのか。
まるで十年前の再現かのように緊張感が空気を支配していた。

二人は構え、同時に腕を振り被る―

「「最初はグー!」」
「「じゃんけんぽん!」」
「「あいこでしょ!」」
「「あいこでしょ!」」
……


引き分けが数十回続いたのは乙女の執念が呼び寄せた奇跡とでも形容すべきか。
けれど人の紡ぐものに無限はない…そして決着の時はやってきたのだった。

「やったぁ!勝ったぁ!!」
「うぁぁん…あと一歩だったのにぃ〜」

握り締めた拳を大切そうに胸の前で抱き締めながら小躍りするなのは。
そしてその前に膝を屈しているのは、指を二本立てたままつきだしている腕を悔しさで小刻みに揺らしたまま俯いているフェイト。

…この接戦を制した勝因はきっと、『最初はグー』。

部屋を出た二人は廊下でヴィータにばったり。
「お、お出掛けか」
「うん」
「後はお願いね」
「まかしとけ」
薄い胸を自信ありげに叩いてすれ違う直前に、
「うおっと、忘れてた!」
大声を上げて立ち止まったヴィータは、振り向いてなのはになにやら手渡す。
「安かったからつい買いすぎちまったんだ。おまけにでも渡してくれよ。…勘違いすんなよ、深い意味とかはなんもねーからな! 義理ってやつだ義理!」

こくん、こくん

一気に捲し立てる紅の鉄騎の勢いに飲まれた二人は黙って頷くしかなかった。
「じゃーな、たまにはちゃんと息抜きしてこいよ」
最後は笑いながら向こうへ歩いていくヴィータの後ろ姿を見送った二人は、顔を見合わせ、なぜかうっすら頬を染めていた。


「…なんか今年は凄かった」
名残惜しそうな顔を隠さない友人知人に見送られ、ミッドへと戻ってきたユーノは開口一番そう呟いた。

ここはまだJS事件の傷痕が残る地上本部。
クラナガンでなのはとフェイトにおちあう約束のためこちらへと転送してもらったわけだ。

仕事の時は殆どスーツ姿のため、私服姿で施設を歩くと余計に目立つ。
…それをさっぴいてもユーノ自身が有名人なので目立つことは変わらないのだが。

時間には余裕がある。
のんびりと歩きながら先程までの穏やかな嵐をなんとなく回想する。

……

「ユーノくんはいっぱいもらうと思うけど、これは気持ちだからねー」
挨拶に訪れたハラオウン家で、いつもの笑顔で応対されたエイミィさんから手渡されたのは小さな立方体の一口サイズチョコ。
ご丁寧に数の目まで彫られているのが細かい。
「ありがとうございます」
「あーもー、おねーさんからの贈り物なんだからそんなかしこまらなくていいのー」

…思い返してもいつものエイミィさんだったとは思うけど、
万が一あのおねーさんの部分に別の意味が含まれていなかったかと揶揄してしまうのは、今日が2/14だからだというふうに納得する。
実際に彼女はフェイトの義姉だからね。

翠屋にももちろん挨拶にいった。
…恭也さんと忍さんが帰国していたのは故意か偶然か、正直読めない。

桃子さんからのは、きっと半分は新作のお試しだと思う。
けどなんか今年のは気合いが入っているような…
「ユーノくん(未来の義息子)のために頑張ったのよ」
…いけないいけない、勝手に呼称にルビを振ってどうするのさ。斜めと明後日に走る自信過剰なんてカッコ悪いにもほどがある。
疲れてるのかな?

「はい、ユーノ」
「あ、私からもね」
美由希さんと忍さんからも、可愛い包みが手渡される。
「というか、もう家族みたいな感じだよね。ユーノにあげるのって」
「それもそうねー」
笑う二人につられて、僕も微笑んでる。

…あれ、これってもう完全に『義弟』扱い?
外堀は何処にいったんだろう…

困った僕は士郎さんと恭也さんに視線で助けを求めたけれど。
帰ってきたのは、
士郎さん『…もう諦めなさい。それにだ、君なら私としても文句はないのだがね?』
恭也さん『…そういうことだ。それに俺としても兄弟が妹ばかりというのはどうもな。弟が欲しいとは前から思っているんだが?』

…あれー?
内心の冷や汗はナイアガラにクラスチェンジ。

そのまま昼食をごちそうにはなったんだけど、会話が全部包囲網に思えてしまって、せっかくの料理の味が殆ど記憶にないんだよな…


そして午後2時過ぎに、アリサとすずかの待つバニングス家にやって来たんだけど…

もしもここにやって来たのが夕方だったら、
もしも夜に予定がないからとなし崩しに長居させられたら、

…色んな意味でのエンドマークが打てた、間違いなく。

あんな真似はその手のメディアだけの絵空事だと思っていたんだけど…

でも本当に危なかった。
この後になのはとフェイトとの約束がなかったらと思うと、背筋が極北だ。

…来月はちゃんと奮発してフォローするから勘弁してください。

……


「あら、ユーノくん」
見知った声に意識を引き戻されるユーノ。
気が付けば正面玄関はすぐそこ。
微かに翻る白衣が嫌でも目立つ。
「シャマルさん、こんにちわ。珍しいですね、ここにいるなんて」
「こんにちわ。ちょっと用があるの。それに珍しいのはお互い様よね。…ユーノくんが地上にいるということは、これからデート?」
「いえそんなんじゃないです。ただちょっと食事するだけです」
「あ、駄目ですよ? 男の子が女の子と二人で出掛けたらそれはもう立派なデートなんですからね」
いや、三人だから違いますよと正直に言いたいところだったが、ユーノはあえて流した。
「あ、忘れないうちに」
シャマルは何かをポケットから取り出し、ユーノへと手渡す。
「白衣のお姉さんから、プレゼントよ」
あ、忙しかったら市販品なの御免なさいね、との謝罪つきで可愛いラッピングの包みが自己主張。
「ユーノくんはたくさんもらうだろうから、小さいのにしておきましたらね」
「どうもありがとうございます。わざわざすいません」
そんな静かでも柔らかなやりとりを経て、ユーノは地上本部をでた。

待ち合わせは何故か本屋を指定するのはユーノだからか。
普通に待ち合わせに使うような場所は、有名人の君たちが目立って大変だからと強く主張していたが、本音は本屋に行きたいだけだったりする。
ただし表の理由は効を奏し、合流はすんなりと出来た。


クラナガンのちょっと高級に分類されるレストランで、優雅にディナータイム。
十年来の友人で、普段は仕事が忙しく顔を合わせる機会が多くないため話すことなど幾らでもある。

夜景とワインと料理を楽しみながら、大量の花を咲かせる三人。

「そういえば、今日は地球はどうだったの?」
「みんなから貰ったんでしょ?」
「あぁ、いつもどおりにご馳走になってきたよ」
…流石にアリサとすずかの話は出来ないので、ユーノは当たり障りない言葉を選んだ。
(…何か、あったね)
(…アリサちゃんとすずかちゃんが何かしたね、これはきっと)
しかし恋する乙女にはそんな誤魔化しは通用せず、本質は見抜かれていた。
(やっぱり、もう猶予はないね)
(そうだね、やっぱり決行決定なの!)
胸のエンジンがドライブイグニッション。

―愛とは、ためらわないことです―

それは、どこかの次元世界のある文献に記された真理のコトバ。


懐かしい顔ぶれに立て続けに逢い、久しぶりに、しかもそれなりに飲んだせいか、ユーノはかなり彼としては開放的になっていた。
アルコールが入っているのは間違いないが、ほろ酔い程度の影響しか見えない。
ちなみに摂取量は普通の人なら泥酔レベルに近いが、そのあたりはスクライアの血がなんとでもしてくれるらしい。
「今日はそのへんのホテルに一晩止まっていくことにするよ」
こんな言葉が飛び出す程に。
「え、大丈夫なの? 明日の仕事とか」
「ん、なんとかなるよ」
「ならいいけど。でも心配だからホテルまでは見送りに行くよ」
「そっちこそ、明日の仕事は大丈夫なの?」
「うん、私たちは明日は半休だから」
「そう、午後出勤なの」
「へえ、そうなの」
わざわざ付き合ってくれるなんて、やっぱり二人とも優しいなぁ〜、
などと感心しているユーノは、気付かない。

ユーノの視線から外れたところで、何かしら企んでいる笑みを浮かべているトップエースで美女な幼なじみ二人の妖絶な目の輝きに。

………
……


「…ん」
目が覚めたユーノは、最初に視界に飛び込んできた景色を認識して。
「知らない天井だ」
とりあえずお約束のボケをかましてみるのだった。
…昨晩は帰宅が面倒になったので、そのままクラナガン市内のホテルに宿泊したのだから当然だ。それを忘れるほど耄碌はしていない。
「しっかし昨日はちょっと普段より飲みすぎちゃったかな?」
体質的に二日酔いはしないが、久々だったせいか少々タガを緩めてしまったような気がして、口元にちょっとだけ困ったような笑いが浮ぶ。

「…って、アレ、…僕、昨晩チェックインしてこの部屋に来てからの記憶が…」
曖昧である事に気付き、はっと意識が一気に覚醒する。
情報を扱う身としてはかなり大きな失態だ、慌てて昨日の記憶の糸を手繰り寄せようとして…
「ていうか今何時だよ」
そんなことまで失念していた自分に容赦ないツッコミをお見舞いする。
今日は当然仕事だ。まあなのはやフェイトのように半休にする手段はなくもないが。
とりあえず時計を見ようと、ここでようやく彼は肉体を動かすべく筋肉の運動を行う神経に情報を送るべく命令を下し――

「…!!!!?」
そこでようやく気が付く、最大の失態

両サイドから聞こえる規則正しい寝息、
同じく自分の左右にある、柔らかくて暖かい感触…ぶっちゃけ人肌。
そして何も身に着けず直接シーツを被っている自分。
…両端の感覚から、隣の二人も一糸纏わぬ格好なのは間違いない。

(うぇぇぇぇぇ!!!?)
まだ寝ているなのはとフェイトを起こすわけには行かないと、律儀に内心で絶叫するユーノ。
(オンドゥルルルラギッタンディスカ!!!?)
普段沈着冷静な彼からは考えられないほどの、混乱の極み。
すでに滅びた次元世界の言葉を使ってしまうくらいに、今の彼は落ち着きがない。
言葉と感情の意味がそもそも一致していないのだ。

(…思い出せ僕!! 昨晩一体何があったのかを!!!!!!)

完結編に続く。



author:まる, category:SSネタ, 23:50
comments(6), trackbacks(0), pookmark
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Comment
まるさん・・・。お願いです。はやてもこの聖戦に絡めて下さい!!!
セブン ウィンズ, 2008/02/14 11:53 PM
司書長の周りで繰り広げられる聖戦、ロスタイムは魔王と死神のターンなのですね!?
三原王二郎, 2008/02/15 12:04 AM
ユーノ君が自ら開戦の狼煙をあげるとはWWW!これから恋のノルマンディー上陸作戦が始まるわけですな。
ちと優勢ななのはさんはさしずめアメリカ、フェイトさんはドイツ、そしてはやてさんはイタリア扱い…。
どらいば, 2008/02/15 1:43 AM
遂にユーノきゅんの夜の性活ランクSSSオーバーの力が発揮される時が来たのですね! ユーノを捕らえたと思っているなのはさんとフェイトさんですが、翌朝にはどちらが捕らえられていたのか理解している事でしょう、文字通り体でもって!
early, 2008/02/15 2:07 AM
完結編がかなり気になりますね?
早く、読みたいです。
You, 2008/03/17 11:53 AM
若さ若さてなんだ?振り向かないことさ!!
クルーザー, 2008/04/16 8:37 PM









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