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処理出来るものから…
リハビリって名目打ちます(笑)

一応バレンタインネタ

前編

後編は明日。


じゃ、どぞ



2月が始まって一週間。
ときおり、にわかに局内が騒がしくなる。
「そういえば、もうそんな時期か…」
ここ昼過ぎの賑わう食堂で、
食後のデザートとして注文したチーズケーキを食べようとフォークを手にしたユーノは、偶然聞こえてきた単語に呼応して、ふと手が止まる。
「それにしても、ずいぶん広まったものだね」
どことなく苦笑混じりのその呟き。

彼はここ時空管理局のデータベースのトップであり、また新鋭でありながらすでに頭角を表し評価を得ている考古学者、つまり歴史には非常に明るい。

それ故の、呟き。

「気付いたら意外とあるんだから不思議だよ」
ある管理外世界の文化が、意外にも既にそれなりに浸透していた現実に。

「でも、加速したのは十年前からだよね」
自身がその97管理外世界とは深い縁がある身である。
彼の素性を知る友人知人も向こうには大勢いるのだ。

だからこそ今の流れは彼に取って身近でつむがれてきた文化の歴史として簡単に認識されていたりする。

今や管理局の看板と言っても差し支えはないオーバーSランクの魔導師である彼の友人たちは皆、97管理外世界出身やら育ちである。
そんな有名人の彼女たちが自分達の世界の習慣をそのまま気にせず続けていたら、影響が拡散するのは当たり前の領域だろう。
十年は十分な時間だ。

突如マナーモードの携帯が震えた。
「あ、アリサからメール」
内容は予想通り、ある日に地球に顔出せというもの。
ただ毎年のことなのでユーノはもう特に気にも止めていない。
その日は海鳴に呼ばれ、結構な数のチョコやらなんやらを受けとることを。
義理だろうとなんだろうと、人の想いがこもったものを無下や疎かに出来ない彼にとっては当たり前のことだった。
…もし本命が混じっていたとしてもそれに気付かないのも彼にとっては日常だったりするので、苦労する人物がいるのもまた事実。

結論としてユーノはそれ以上気にすることもなく、ケーキを口に運んだ。
「うん、おいしい」

マルチタスクを満喫、つまり大量の魔法を平行起動するのが職務な彼は脳をほどよく活動させている。
つまり糖分は欠かせない。
発掘作業を生業とする一族出身という出で立ちも相まって、彼は普通に甘いもの好きである。
…でもあのお茶は勘弁らしい。



同時刻、機動六課。
「はぁ」
「どうしようね」
食堂で分隊隊長二人が困った顔をしていた。
別に後2ヶ月後に迫った部隊解散を思ってブルーなのではない。
彼女たちは原隊復帰するだけであり、面倒を見てきた新人たちも新たな配属先は既に決まっている。
もちろん仕事に詰まっているわけでもない。

「「今年はどうしよう…」」
声をハモらせるなのはとフェイト。
考えているのはもちろん、バレンタインの詳細だ。

本命を渡す相手はいる。
しかし、それは同時に最大の壁だった。
本人がボクネンジンに傾倒気味であるのに加え、彼女たちの足跡がそれを助長してしまってきたのだ。

出会って十年。
毎年贈っていた、それこそ異性とか意識しない頃からずっと。
加え、彼女たちのモットーは全力全開である。
パティシエ、つまりプロであるなのはの母・桃子に教えを請い、見事な品を毎年作り上げていたのだ。

そして時を重ね想いに気付き、意識が向いた…
が、以前の流れが導になっているのか、何を作っても彼には『いつもありがとう』としてか届かないのである。
なんというジレンマ。
なんという罠。

かといって作らない贈らないの選択肢は存在しない。
「ふぇーん、このままだと」
「先越されちゃうよ…」

彼を巡るライバルは多いのだ。

そんな彼女たちには、ある協定があった。
『彼が二十歳になるまでに、誰にも告白しなかったら、そこから先は自由競争』という。

…もっとも誘惑などのこなかけ・抜け駆けは禁止されていないため、単に目立たぬようにやれというだけの形骸に過ぎなくなっているのが現状だ。
やはり年齢=いない歴は厳しい模様。
人生イベントが地球に比べ前倒し傾向にあるミッドにいると、それはなおさらプレッシャーになる。

「今年もユーノくんは呼ばれてるよね?」
「多分ね、毎年のことだし。夜は時間作ってと先に頼んであるから大丈夫だと思うけど…」
Xデーは平日だ。
ユーノは貯まっている有給を消化する意味でも休みを申請して外出は問題はないが、自分達はそうもいかない。
「もう、恥ずかしいとか言ってられないね…」
「そうだね、これ以上のさきのばしは、もう嫌だ」

なにやら決意したのか、二人の目にははっきりとした決意が浮かんでいた。


そのあまりの迫力に、食堂にいた人々はこそこそと抜け出していくが、二人はそれに気付かない。
「確かに忙しいけど、手を抜く理由にはならないよ!」
「そうだね、どっちも疎かにしない!」
さらに盛り上がって参ります。

そのまま昼休みが終る直前までそんな会議は続けられたそうです。
…彼女たちが出ていったあと、食堂の職員は安堵のため息を吐き出した。
物音立てるのが怖かったと彼らは語る。

背水の陣を覚悟したオーバーSランクの気迫、恐るべし。
…こんなところで撒き散らすなんて、さらに恐るべし。


そして2/13、前日がやって来た。
「…なんとまあ」
出勤したユーノは受付に積まれていた自分宛の小包の類いの山に絶句していた。
どうやら明日休暇でいないことは、いつの間にか他の部署にまで広がっているようだった。

「…まだ来るんじゃないかな」
嬉しいことは嬉しいが、あまりに数が来ると食べるのも一苦労である。
しかも相手は精神的に疎かに出来ない物品だ。
それに背中に突き刺さる視線もそろそろ痛い。

一月はお茶請けに困らないな、
なんとかポジティブ思考に切り替えたユーノは、自分の職務室へと歩を進めていった。

続く



author:まる, category:SSネタ, 20:46
comments(3), trackbacks(0), pookmark
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Comment
10年…確かに長いですね。新しい文化が馴染むには十分過ぎる時間です。
しっかし、やはりユーノは凄いですね。発言から察するに30個近くは有りそうですね。しかも更に増えそうな。
そして、ユーノを取り巻く女性陣はどう行動(周囲への被害?)を起こすのか?…というより進展するのか?
ヒムラ, 2008/02/13 9:18 PM
そういやなのはさんってバレンタインでは無敵ですね(菓子作り的な意味で)
しかし、二十歳になったら自由競争解禁と言う、海軍軍縮条約みたいな協定があったんですな。こりゃ当日は全面戦争のヨカーン
どらいば, 2008/02/13 11:42 PM
お願いです。攻めて今回だけははやてを仲間外れにしないで下さい!!!!
セブン ウィンズ, 2008/02/14 8:09 AM









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