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平日は…
新作が書きあがるまでは昔のをちまちまあげていくしかない。

というわけで

リリカルデイズ 555
タイトル未定

…これ、ユノフェ?


仕事のため本局に立ち寄ったフェイトは、その足で無限書庫へと向かう。

「ユーノ、久しぶり」
「やあフェイト、お疲れさま」
司書の長を務める友人に挨拶に来た。

美男美女が穏やかに交わす挨拶はそれだけで絵になる。
配属されたての新人司書は思わずその光景に見とれていた。

司書長室の応接ソファーでお茶を手に軽く休憩しながら、近況報告を兼ねた雑談に花を咲かせていた二人。
…それは端から見ればもう完全にお似合いである。

「ヴィヴィオは元気?」
「うん、元気。ユーノに会いたがってるよ」
だからたまには六課に顔出してね、とフェイトに言われ苦笑するユーノ。

レリック事件終結後、初めて会いに行ったら、
元々のユーノの持つ子供に親しまれる穏やかな性格と物腰に加え、目と髪と声という多大な親近感に心を開いたヴィヴィオは、
スッカリ彼になついてしまったのだ。

その際に何を考えていたのか、母のなのはがユーノのことを
『パパだよ』
と紹介したので尚更だ。

「あんまり娘を蔑ろにしちゃ駄目だからね、パパ?」
「君まで言うの?」
クスクス笑うフェイトに対して、困り顔のユーノ。

…そして、フェイトは決意した。
今の流れなら言えると。
今日ここにきた目的が果たせると。

「…あのね、ユーノ」
「なに?」
ユーノは全くフェイトの考えに気付いてない、無防備だ。
「私もね、ヴィヴィオのママなんだ」
「知ってるよ」
だからまだユーノはこうして落ち着いてる。

そして彼女は、告げた。

「だからね…私『も』、ユーノのお嫁さんになっても…いいかな?」

うっすらと頬を染め、恥ずかしそうに告げるフェイトに見つめられたユーノは、完全に言葉を失った。

予想外を幾度も累乗した、まさにザンバーのごとく降り下ろされたフェイトの一言に、
ユーノが再起動に要した時間は分単位だった。

「…ユーノ?」
まるで氷結魔法を受けたように動かない想い人に、恐る恐る声をかけるフェイト。

「…!? いきなり何いうのさっ!!?」
相も変わらずそこらの女性にはヒケを取らない整った顔立ちを覗きこもうと近づいたら、
漸く正気を取り戻したユーノは慌て畳み掛けるように言葉荒く捲し立てた。
勿論困惑は残ったまま。
「冗談にしては質悪いよ!」
「…ううん、違うよ」
けれどフェイトは静かに頭を横に揺らしてそれを否定。
「えっ…?」
ユーノが再び、言葉を失いかける。

「だって私は…ユーノが好きだから」

フェイトはまたも、ユーノを正面から見据えて己の胸中を開いた。

「…フェイト」
すぐになにか言葉が返せない自分に苛立ちを感じたのか、ユーノの顔が少し歪に歪む。

「いきなりでゴメンね。でも今言わないともう駄目だから」

切なさが言葉に交じる、
友人として過ごした時間がお互いに通じてる。
ここにはいない、彼女を含めた三人の感情も。

「…いつから」
ユーノが思わず漏らした言葉が、部屋によく通る。

「多分ね、ずっと好きだった。
でも私、そういうことは昔はね、よく分からなかったから」
フェイトの生い立ちはユーノもよく知っている。
色恋沙汰の話は、海鳴で過ごした時間で周囲の話を耳にしながら細々育んできたことは想像に難くない。

「はっきり自覚したのは、執務官試験の勉強手伝ってもらってた時」
そう言えばあの時は他の誰よりフェイトと一緒の時間が長かったな、とユーノは今更ながら思い出す。
当時の甘酸っぱい記憶まで戻ってきたのか、ちょっとだけ渋い顔。

「…でもね」
フェイトはそこで言葉を濁すが、その先も判る。

だから、ユーノは受けたバトンを全て内包して言葉を引き継いだ。
「…だから僕に、二人分受け止めて、ね…」

なのはを蔑ろになんて、自分たち二人には出来るはずもない。
けれど、それが判っていてもなお消せない、焦がれる想いがある。

その気持ちは痛い位に同調する、出来る。
何故なら彼も今更に気付いたのだから。
その優柔不断さに嫌悪しながらも、消せない事実に。

ユーノは、思考する。
伊達に何年も情報を扱う仕事はしていない。
…だから、たとえそれがどんなに強引な力業だとしても、
不可能ではない手段に心当たりはある。

けれど、それはあくまでも形式の上の問題。
社会的に見た場合はまた別問題。

自分は、まだいい。
直接血の繋がる肉親はいないし、所謂流浪な一族の出だ。
気ままに何処へ流れても、全て自己で責任を負えばよいのだから。

しかし、彼女は違う。
管理局の重要な立場にいる有名人でトップエース。
しかも義母や義兄は提督だ。
スキャンダル同然の手段に巻き込むような真似が出来るはずもない。


…いや、違うな

そこまで進んで、ユーノは自嘲の笑みを浮かべた。

実行すれば非難の矢面に立つことになるのは、間違いなくユーノなのだから。

…いや、それはまだ耐えられる。
けれど悪意は一つに留まることを知らないから。
ユーノを蝕んだ悪意はやがて周囲に飛び火する。
彼の周りの人々へ襲い掛かる。

彼には、己の身が傷つくよりもそちらの方が何倍も痛いから。

「……」
俯き頭を抱えるユーノ。
その険しい顔は彼の想いがつむぐ故の苦い色。

「!?」
しかし背中に突如現れた穏やかな暖かさが、彼に小さな風をもたらす。

「…フェイト?」
自分の背中に密着する犯人に、そっと問う。
「…るから」
小さな声はこんなに側でもまだ全て届かない。
しかしユーノの鼻孔を擽るフェイトの匂いは何故かユーノの心に穏やかな時間を届けた。

勉強の面倒を見ていた頃にちょっとしたアクシデントで密接した記憶が蘇る。
けれどあの頃の青さが残るそれとは決定的に違う、成熟した甘さが今ここにはある。

「わたし、ずっと一緒にいるから」
ユーノの背に顔を埋めながら抱き付くフェイトが溢した、想い。
「みんな居なくなっても…たとえなのはが離れたとしても…わたし、ユーノの傍にいるから」

フェイトの告白に、
ユーノはすぐに返せる言葉を持たなかった。
自分の迷いを見抜いたかのように放たれた言葉は、確実に彼の心へ届き、見えなくても確かな力へと変わる。

「だから、いっしょなら、大丈夫だよ。
私も一人じゃ駄目だけど、ユーノといっしょなら大丈夫」

一人で抱え込まないで

それはきっと、互いが互いに向ける言葉。

ああ、そうだ。
自分達はこんなにも―

ユーノは思う。
なのはが近くに居ても、フェイトから目が放せなかった理由を。

だから、ユーノは頭を抱え込んでいた手を、自分の胸に回されたフェイトの手にそっと重ねる。

それは思ったよりずっと小さくて、ずっと柔らかく暖かい。

「まったく、自分が情けなくなるよ」
―サポート役が助けられてどうする。
「でもそれもユーノらしいよ? 私もなのはも、そういうところがあるユーノだから好きになったんだ」
―いつも助けてもらってるから、今度は私の番。

敵わない、ユーノは素直にそう思う。

「…それじゃ、普通より少しだけ大変な道を歩いてみるよ」
応援よろしく、と彼は振り向く。
「うん、私も一緒に歩くから…すぐ隣でね」
フェイトも顔をあげる。

…そのまま、互いに目を閉じてそっと唇を重ねる。


「…これくらいはなのはより先でもいいよね?」
離れても、真っ赤になったままでフェイトは自分の唇を軽く指先で押さえる。
「そうだね…」
ユーノもやはり恥ずかしいのか、小さく指で頬をかく。

…結実した想いが、新たな花の種子を翔ばすのはもうすぐ…

「なのはは今日の夜時間あるの?」
「うん、大丈夫」
フェイトの答えを聞いたユーノは時計を見る。
覚悟を決めたユーノはなのはに話をするつもりだ。

「あ、私今日は地上本部から来たから…車そこなんだ」
だから早めに戻らないといけないかも、
何故か心ここに在らずな、フェイトの態度。

「じゃ、夕方はドライブで簡単なデート?」
「!?」
ユーノの笑顔で希望を射抜かれたフェイトはまた赤くなる。
「…じ、実はね、助手席にはまだ男の人座らせたことないんだ。
だから、ユーノが最初だよ…」
「そ、それは…光栄だね」
お互いがお互いの言葉で照れている、微笑まし過ぎる光景。
敏腕執務官と頼れるデータベースの頭には見えない、初々しさが溢れて止まらない。


夕方のミッドチルダを走る車上に二人の姿があった。
「そういえばこうやって六課へ行くのは初めてだ」
「何時も転送?」
「大抵はね」
ユーノは普段時空間にある本局にいる。
学者業での移動手段の最初はまず転送から。
その中継点から目的地までは大概タクシーか迎車。
発掘にいくときは普通に飛ぶ。
しかし管理局の施設に行くなら転送一度で済むから。
「…やっぱり住むなら地上なのかな?」
トランスポーターさえ設置すれば住居に制限はない。
夕焼けを眺めながらぽつり呟くユーノ。
幸い収入に不自由はないし、あまりお金を使わない生活と性格のため、貯蓄もじゅうぶん。
そこそこの一軒家の購入に困りはしない。
「…そうだね、ちゃんと探さないと」
広い家を、とフェイトは続けた。
…全て上手くことが運べば六人スタートなのだ。

「色々頑張らないと」
決意を新たにしたのはいいけど、やはり苦笑は外せないユーノだった。

「そうだ、ちょっと寄り道してもいいかな?」
「ん、多少時間調整したほうがいいかもね」
運転していたフェイトに言われ、ユーノは合意。
二人の車は六課への最短ルートを外れた。

「ここは?」
「私のお気に入りの場所」フェイトが車を止めたのは、小さくても大きな癒しに溢れたスボット。
「なのはにも教えてないんだ。教えたのはユーノが最初」
「へえ…」
今日は初めてづくしだなとユーノは思った。
「確かに、息抜きするには絶好だね」
そして、深呼吸。

「ね、ユーノ」
そんな彼の背中に声をかけるフェイトは、何故かまた薄く頬を染めていた。
「何?」
けれどユーノは振り向かなかったからそれに気付かない。

「…その、ここで、もう一度いいかな?」
何をとは、言わない。

「…急に大胆になったね」ユーノの声は笑ってる。

「だって、もう遠慮しなくてもいいから」
「仕方ないな、お嬢様の仰せのままに」
「ゆー!んっ!?」
芝居染みたユーノの言い回しに抗議しようとしたフェイトは、振り向きざまのユーノの一撃を見事にカウンターで受けるはめに。
けれど彼女はすぐに穏やかな顔でそれを受け入れ、そっと瞳を閉じた。

夕日が伸ばすのは、
一つに重なった二つの影。


おまけとかいて蛇足と読む?


その夜、機動六課宿舎。

大事な話のため、防音結界の張られたスターズ&ライトニング分隊長の自室。
…ヴィヴィオはエリキャロの所にお邪魔してます。

三人が集う部屋。

今聞こえるのは二人分の声…

なのはとフェイトの言い争う声がその結界の中に満ちていた…



「そんなの狡いよフェイトちゃん!」
「なのはには狡いって言われたくないよ!」

まさに正面からぶつかりあう二人…


けれど間違いなくこの因果だろうユーノは二人を止める素振りもなく。
「……」
(--;)/
逆に呆れ顔で匙を投げていた。
何故なら。


「私より先にユーノくんとキスするなんておかしいよ、抜け駆けだ!!」
「正式に告白したのは私が先だもん! だからちっともおかしくなんかない!」


…争いの原因は実に大したことないのだから(笑)


「じゃあユーノくんの赤ちゃん産むのはなのはが先だからね!!」
「それとこれは関係ないよ! なのは横暴だ!」

…ずっとこんな調子。

二人一緒というところはあっさり納得に落ち着いたのだが、
何故今日のこの話になったのかで、この有り様である。

「じゃあ私も今すぐユーノくんとキスする!」
「ちょっと待ってよなのは!幾らなんでもいきなりそれは!」
「ユーノが嫌がってるからやめなよなのは」
「ユーノくん嫌がってないよね?照れてるだけだもん!」

…カオスになって参りました。

なおこの後、二人の制止を振り切ったなのはが思いっきりでぃーぷなそれを敢行したため、
フェイトもすぐさま追従しました。
なお損傷はユーノの精神力だけです。

ちなみに今晩は、なにもなしで三人が一緒に寝ることになりました。

勿論ユーノくんは翌朝目の下に大きな隈を作ってます。


「え? 僕はユーノ先生なら全然構わないです」
「実はちょっと憧れてました。ユーノ先生みたいな人がお父さんならいいなって」
「え? パパはパパ、ママはママだよ?」
後日、話を聞かされた年少組はこう語る。
反対意見は微塵にも存在しない。


実家の方もこれまた何故だかあっさりと通り、ユーノは自分の常識と葛藤について本気で悩みましたが、セカイは無害です。



それから、鉄は熱いうちにというわけもあって、やることはどんどん済ませてしまいました。
式も、旅行も、住まいも、
そして…

はやてには「フェイトちゃんの裏切り者〜」なんて言われたけど、何も見に覚えはないんだけどなあ。
というかなんでなのはには言わないのかな?

私はただいま休職中。
さすがに6ヶ月じゃ飛び回るお仕事は無理。
一応まだやってるのは書類仕事くらいかな。

ちなみに執務室じゃなくて、書庫の司書長室の片隅を借りてる。
やっぱり出来る限りは一緒にいたいから。

…リニス、プレシア母さん、アリシア姉さん、
私は笑顔で居ます。

げんきです。
author:まる, category:SS(リリカルデイズ), 03:03
comments(3), trackbacks(0), pookmark
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Comment
はじめましてで、いきなり突っ込ませてもらいますが、サブタイ見た時、実はユーノがフェレットオ〇フェ〇クで、携帯とベルト型のデバイス持って、巨大企業に戦いを挑む内容かと思いましたww
のらり, 2007/10/24 8:00 AM
すみません、感想忘れました。ユーノ君 あの二人を相手にするのは、巨大企業より大変だが、大丈夫、君なら仲良く犯っていけrdまtq(桃と金の光)
のらり, 2007/10/24 10:14 PM
はじめまして!ブログを始められたんですね。ネタ投稿板の時から読ませて頂いてました。
勝手ながら、楽しみにさせてもらってます。これからも!
司書長へ、部隊長も貰っちゃえ。
フーキ, 2007/10/25 1:33 AM









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